マリー・アントワネットの秘密の手紙。

『大切な優しい方。気が狂いそうなほど、あなたを愛しています。

 そして一瞬たりともあなたを愛さずにはいられないのです』

マリー・アントワネットからフェルセンへ  1792年1月4日 

♡  

『さようなら、私の優しい方。あなたを愛しています。

そして気が狂わんばかりに、私の人生をかけてあなたを愛し続けるでしょう』

フェルセンからマリー・アントワネットへ 1791年10月29日

文字の上に同じインクで塗り潰され、なかなか解読されずにいた手紙だったのですが

最も心のこもったところが黒塗りに。

最新技術によって、黒塗りされている部分が解読されたのです。

インクと文字が一緒に剥がれてしまったところはスペルを埋めているのが見てとれますが、

このスペル以外ないでしょう?というほどしっかり文字が残ってます。

熱烈なラブレターだと思うのですが、今でいう❤️絵文字みたいなもの。

というご意見もあるようです。

確かにフェルセンにとってアントワネットは高嶺の花のような存在でしたでしょうから

手紙にも最大の美辞麗句を連ねたことでしょう。

真相はどうであれ、この手紙を見つけた時は本当にときめき✨

絶対にカリグラフィーで作品にしようと決めました。

手紙だからカチッとしたローマンキャピタルやゴシックじゃないよね。

さらさらっとした書体が良いけど、その中でもドラマチックな書体。

そうなるとイタリック体一択でした。

。。。頑張って作りましたけど、リアルな手紙を見た後に作品を見ると

相当物足りないものがありますね?

ちなみにフランス語ということもあり

ほとんどが小文字で、あまり書き映えしないことに相当悩みました。

一瞬「テキストを変えようか?」と思ったこともありましたが

この手紙の魅力にはかないませんでした。

教室の作品展に出品させていただくために作っていた作品ですが

仕上がったのは搬入当日の朝4時を回り、陽がうっすらと登り始めていました。

いつもいろんな事がギリギリすぎるけれど、諦めの悪い性格だからしょうがない。

もっと早く作品作りに取り組んでいたとしても同じことだったでしょう。。。

 😮‍💨

わたしは作品のテキストに、手紙を選ぶことが多いです。

当時を生き抜いた“その人”がしたためた感情。

それを『書く』ことによって、言葉に込められたエネルギーを感じ

何よりその人が生きた息吹を感じ、なんとも言えない感動を覚えるからです。

今回はマリー・アントワネットとフェルセンの手紙をテキストに選びましたが

書けば書くほど、このふたりのドラマチックにも程がある人生に興味を持ち

本を読み、いろんな疑問も湧き、調べることで知識を持ち、感じることがたくさんありました。

こうして学びは枝葉となっていくんだな、としみじみ感じた作品です。

お花の中心ひとつひとつに金箔を貼りました。途中酸欠状態になり深い睡眠に入っていった記憶が。。。

この手紙もまた別の書体で書いてみたいですし

書いてみたいアントワネットの手紙もまだまだあるのでこれはあの書体、あれはあの書体。。。

と楽しい悩みは続くのです。

 

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