カリグラフィーを始めたばかりの頃
『LOUIS VUITTON』のロゴが、古代ローマで生まれたローマン・キャピタル体でデザインされていることを知りました。
その時のときめきは、今でもよく覚えています。
「古代と現代をつなぐ文字を学べるなんて❤︎」

美しいローマン・キャピタルで掘られた、有名なトラヤヌス帝の記念碑です。
日本ではまだ「書く」という文字を持たない弥生時代に、こんなに美しい文字があったことだけでも驚きですが文字の形もスペーシングも、とても素晴らしいのです。

この記念碑に刻まれたスタイルをほとんど保ったまま現在のトップブランドの顔として生き続けるのですから
当時のローマ人の教養の高さと美意識の深さには、ただただ圧倒されてしまいます。
カリグラフィーにおいてもいつかは書きたい、素敵に書けたらいいな、という
憧れずにはいられないローマンキャピタル体です。
ローマン・キャピタルに似合うような、格言のような言葉を探していた時に見つけました。
「芸術は正気を保証する」
「ART IS GUARANTY OF SANITY」

ルイーズ・ブルジョワの言葉ですが、すごく腑に落ちていつまでも心に留めておきたい言葉です。
❤︎
濃い紫の紙に真っ白なガッシュ。
映えることは間違いないですが、単色ガッシュはどうしても紙の色が透けやすいので
細い線が出るギリギリまで、ガッシュの濃度を濃くしました。
3ミリ幅のペン先で、高さ3センチのローマンキャピタル体。
「Xハイト10」で本文を書きましたが
やっぱり「Xハイト10」のローマンキャピタル体は「シュッ」としていてかっこいいのです。
若干、センター揃えがズレたことが悔やまれます。

目立たないですけれど、『ART』にはプラチナ箔を貼りました。
大きな文字なのでテクニック的にも難しく、シンプルであるがゆえに、ほんの少しの乱れも目立ってしまいます。
……というか、自分が気になる……
何よりローマン・キャピタルは、多くの人が一度は目にしたことのある文字です。
それだけに、誰もが無意識のうちに「美しい形」を知っているように思うのです。
だからこそ書くことにも、人前に作品として出すことにも、勇気がいる書体でもあります。
